好きだよ。
私も好き。
ねぇ、
『幸せになってね』
「はっ、あっ…」
「起きたわねー」
私はどうやら寝てしまっていた。
「お姉ちゃんに起こさないでって言っといたから!」
「ありがと…」
星川先生の授業だったらしい。
隣を見ると、ナツキがいて、
後ろを見ると、クルミがいて、
いつも通りの、
いつもと変わらない光景なのに、
「私、バカだなぁ…」
「急にどうしたの?」
「誰かさんのバカが移ったのかしら。」
「え!?」
世界が色づく。
眩しい。
とても眩しかった。
『別れてください。』
私が出した、答え。
私が手離したくない、大切にしたいのは、
あなたじゃない。
『チャンスをくれ』
「ソノ。」
「…なんで。」
帰り道、振り返ると青葉さんがいた。
「今日シフト入ってますよね?行かなくて大丈夫な…」
「どういうこと?」
今やり取りし合ったばかりのLIN○をこちらに向ける。
「ねぇ、ねぇ、説明。 して。ほら。」
「こ、言葉の通りです」
地面にスマホが落ちる。
画面が割れて、破片が周囲に飛び散る。
狂ってる。
一歩一歩近づいてくる。
ここで逃げたら、私はこの人の言いなりになり続けなければいけなくなる。
負けない、
負けない、
「ひどーい。女の子泣かせるなんてー」
私の横を通り過ぎる、
金色の髪の毛……



