極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

「え……それ、私でいいの?」

 誘ってもらえたのは嬉しいし、行きたいとは思う。

 けどその前に、疑問が口を突いて出た。

 ……私なんかと一緒に行っても、楽しくないと思うよ。

 自分でこんな悲しい事言いたくないけど、それは分かり切っている事。

「結衣さんじゃなきゃダメ。」

 間髪入れずに言われた、その言葉。

 短い言葉だったけど、私は心を大きく揺さぶられる感覚に陥った。

 私じゃなきゃ……か。

 秦斗君がどういった気持ちで言ってくれたのか、知りたいところではある。

 だけどそこまでは、流石にダメだと思った。

 聞いてしまえば……秦斗君の厚意を、無下にしてしまうだろう。

 それだけは絶対ダメ。私に気を遣わせないような言い回しで言ってくれた秦斗君に、そんな態度を取りたくない。

 ……それに、秦斗君の言葉からは安心感を覚えるようなオーラが出ている気がした。

 私を必要としてくれているみたいで、一緒に楽しんでもいいって言われてるみたいで……。

 秦斗君がよければ、ぜひ……。

「うん……私、秦斗君と一緒に遊園地行きたいっ!」