極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

 もし秦斗君と同じクラスだったら……と思うと、私の寿命は縮みそうになる。

 注目される事から慣れていないのに、これ以上一緒に居るとなると……。

 考えるだけでも、怖くなってくる。

「結衣さん、帰ろうか。」

「う、うんっ。」

 今日も秦斗君は私を呼びに来てくれる。

 それは仮交際を始めた時からで、私が「呼びに来なくても良い」と言っても却下されるから。

 どうして頑なに却下するのかは分からないし、秦斗君が考える事はさっぱりだ。

 私の頭が幼稚なだけか、はたまた秦斗君が大人っぽいからか。

 ……それすらも、私はよく分かっていない。

「そういえばさ、結衣さんって遊園地って興味ある?」

「遊園地……? うん、あるよ。」

 秦斗君からの尋ねに、素直に大きく頷いてみせる。

 興味がある……というよりかは、好きっていうほうが近い。

 幼い頃から行く回数こそ少なかったけど、遊園地は大好きだ。

 思いっきり遊べるし、いろいろな体験をする事ができる。

「それじゃあ……土曜日に俺と一緒に遊園地行かない? 知り合いから新しくできた遊園地のチケットを貰って、誰と一緒に行こうか迷ってたんだ。」