極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

「……それは男か?」

「え? ……う、うん。そう、だけど……」

「なら着いていく。」

 どういう事、お兄ちゃん。

 男の子だったらダメだって事?

 私が男の子だと認めた途端、お兄ちゃんは険しい顔になって眉間にしわを寄せた。

 でも私には、何でお兄ちゃんがそんな表情をするのかが分からない。

 うーん……本当に大丈夫なのにな。

「私、大丈夫だよ? 心配しなくてもいいよ?」

「いーやダメだ! どこの馬の骨かも分からん男を結衣と二人きりにさせるのは俺が嫌だ!」

「えぇ……。」

 そ、そう言われてもなぁ……。

 困り果ててしまい、ただ一人慌ててしまう。

 だけどその時、お母さんがリビングからこんな言葉を飛ばしてきた。

「結衣、せっかくなら宗大に送ってもらっちゃったらいいじゃない~。久しぶりに兄弟で話してみるのも、お母さん的には良いと思うわよ。」

「との事だ。結衣、一緒に行こうっ!」

 お母さんの言葉に、救われたように目をキラキラさせているお兄ちゃん。

 ……まぁ、いっか。なんとか、なるはず……。