極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

 少し悩んで、丁寧に文字を打つ。

 そして……送信した。

 私が送った言葉は、《私は大丈夫だよ。》という差し支えのない言葉。

 こういう時私はどんな言葉を送ればいいのか分からないから、これでいいのかは私には判断できない。

《ありがとう。それじゃあ、此之下(このもと)公園前で待ち合わせしようか。家、近い?》

《うん、近いよ。》

《それなら良かったよ。また明日ね。》

 でも話は案外トントン拍子に進んで、氷堂君から《ありがとう》とメッセージがついた可愛らしいハムスターのスタンプが送られてきた。

 氷堂君もこんなスタンプ、持ってるんだ……。

 少し驚きながらも、私も急いでスタンプを返す。

 《よろしくね》のメッセージが添えられている、うさぎのスタンプで。

 そのスタンプが送られた事を確認して、スマホを閉じて自分の部屋へと向かう。

 ブレザーを脱ぎながら、私は今日の事を思い返した。

 今日は本当に、いろんな事がありすぎた……。

 嘘告白をされた事を知ってしまった事や、助けてくれた氷堂君と仮交際を始めた事。