一体この男子生徒は、湖宮さんのどこを見てそう言っているのか。

 ……湖宮さんは誰よりも素敵で可愛くて、どうしようもないくらいに優しいんだから。

「偏見じゃねーし。他の奴だって、湖宮を陰キャだって思ってる。そんなの、正真正銘の陰キャ――」

「それを偏見って言うんだよ。……みんなに言っておいて、湖宮さんは今日から俺の、だって。」

 そう言わずにはいられなかった。

 湖宮さんの意見も聞かずなのはどうなのかと思ったけど、こうでもしないと湖宮さんを守れない。

 恋愛に疎い俺はただ、そうする事でしか好きな人を守れない未熟者。

 それでも俺は誰よりも……湖宮さんを何からも守ってあげたい、と強い意志を抱いていただろう。

 今度こそ絶対に。もうミスは許せない、許したくない。

 ……愛しい人を悲しませない為に。

 そして、この先守れるように。