氷堂君との関わりはないに等しいし、付き合ったとしても氷堂君ファンの人たちからの制裁が怖い。
だから断るのが最善なんだ。
申し訳なさと罪悪感を抱きながらも、ちゃんと言葉に出す。
これで氷堂君も引いてくれたら……。
「……ごめんね。確かに俺もこんな状況で言う事ではなかったね。」
「それなら、もう私には――」
「それでも俺は、湖宮さんを諦めたくない。」
え……諦めたくない、って……。
「氷堂君が私のことを考えてくれたのは分かってるよっ。でも、そこまでしなくても……」
「ううん。俺はしたい。それにどっちにしろ、明日には噂が広まっちゃうと思うし。」
「噂……?」
それは、どういう意味……?
突拍子もなく言われた単語に首を傾げると、氷堂君は少しだけ困ったように微笑んだ。
「うん、噂。さっき俺は湖宮さんの気持ちを無視したまま、『貰っていい?』なんて言っちゃったし、ムードメーカの彼は話を広めるのが上手だからね。きっと明日の朝にはもう、“俺たちが付き合ってる”っていう話が出回るはずなんだ。」
だから断るのが最善なんだ。
申し訳なさと罪悪感を抱きながらも、ちゃんと言葉に出す。
これで氷堂君も引いてくれたら……。
「……ごめんね。確かに俺もこんな状況で言う事ではなかったね。」
「それなら、もう私には――」
「それでも俺は、湖宮さんを諦めたくない。」
え……諦めたくない、って……。
「氷堂君が私のことを考えてくれたのは分かってるよっ。でも、そこまでしなくても……」
「ううん。俺はしたい。それにどっちにしろ、明日には噂が広まっちゃうと思うし。」
「噂……?」
それは、どういう意味……?
突拍子もなく言われた単語に首を傾げると、氷堂君は少しだけ困ったように微笑んだ。
「うん、噂。さっき俺は湖宮さんの気持ちを無視したまま、『貰っていい?』なんて言っちゃったし、ムードメーカの彼は話を広めるのが上手だからね。きっと明日の朝にはもう、“俺たちが付き合ってる”っていう話が出回るはずなんだ。」

