両親は絶対に私のことを否定しなかったけど、私はそうはいかなかった。

 自分はダメな人間なんだって、思い込んでいた。

 だから人との壁を作るために、伊達眼鏡をかけている。

 そして私のことを知っている人が誰も居ない中学を受験して、今も絶賛通っている。

 もうすぐ半年だけど、とても居心地がいい。

 たまに悪口を言われたりするけど、小学校と比べれば全然マシだった。

 ……それに、紗代ちゃんが守ってくれるから。

 中学に入学したての頃、私は未だコミュニケーションが苦手で自分で話しかける事ができなかった。

 でもそんな時に話しかけてくれたのが、紗代ちゃんだった。

 席が私の前だった紗代ちゃんはすごく積極的で、第一印象は元気な子。

 もしかしたら気が合わないかも……と最初ばかりは思っていたけど、全然そんな事なかった。

 紗代ちゃんは私と趣味が同じで、学校で唯一私が心を許せる相手になった。

 紗代ちゃんに小学校の頃の話をすれば、『何それ!? ちょっと待ってて結衣! あたしがそいつらをボッコボコにしてくる!』って私の代わりに怒ってくれた。