極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

 けど……こう、面と向かってはっきり言われるのは……きつい。

 陰で言われる事にはもう慣れた。でも真正面から言われるのは慣れていない。

 ……私だって、こんな自分が嫌いだ。

 いつまでもウジウジしていて、何もできなくて、ずっと黙っている自分が。

 紗代ちゃんみたいに、物事をはっきり言う事ができる人だったら……って、何度願っただろう。

 こんな根暗な性格じゃなきゃ……なんて、何度思っただろう。

 こう思う事自体も、自分の出来の悪さが分かる気がして嫌になる。

 何も言えなくて、ぎゅっと自分の制服の裾を掴む。

 力強く、傷ついた心をごまかすように。

 ……でも、無理だった。

「阿辺君が、そんな事する人だって思ってなかった。」

 吐いた言葉は初めて、誰かに反論するものだった。

 こんな事が言いたいわけじゃないのに、口を突いて出てしまった。

「……俺だってさ、お前みたいな陰キャに告白したくなかったよ。」

 ……ダメだ、泣きそう。

 涙腺が大きく揺れて、視界が端から滲みだしてくる。