極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

「それなんだよなー。あんま延ばされても困るって言うかさ。そろそろ決めてほしいって言うかさ。」

「返事次第では振るんだろ? サイテーだな。」

「まぁそりゃな。罰ゲームだからオッケーしてほしいけど、湖宮と付き合うとか絶対無理だし。」

 阿辺君と話しているのは二人の男子生徒らしい。

 その会話から罰ゲームだったんだという事が鮮明になってくる。

「あんな地味女と付き合えるわけねーし。」

「……っ。」

 分かってたはずだ。阿辺君が私を好いてくれていない事くらい。

 それなのに私は、期待して一人でドキドキして……馬鹿みたい。

 同性からも煙たがられている私。異性から好かれるはずもないんだ。

 ……もう帰ろう。

 そう思って壁から体を起こして足を動かそうとするけど、それは叶わずに。

「……湖宮、何で居るんだよ。」

「っ!」

 結構距離は離れているはずなのに、あっさりと存在がバレてしまった。

 背後から阿辺君の声が運悪く聞こえてきて、思わず足を止めてしまう。

「さっきの、全部聞いたのか?」