極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

 肇……って、阿辺君の名前だよね?

 確かそうだった……と思い出し、興味から聞き耳を立てる。

 盗み聞きという事になってしまうけど、少しくらいなら……。

「湖宮の件、どうなったんだよ。」

「いや、それがさ。湖宮、案外ガード固いの。それに俺、一回振られてんだよね~。」

 ……え? 私の、話……?

 立てているのは耳だけだから、誰が阿辺君と話しているかは見えない。

 でもはっきりと、私の名前が出てきた。

 というか、振られたって……。

 直感で心がざわざわして、これ以上は聞いちゃダメだと訴えている。

 ……その直後に、聞こえてきたんだ。

「湖宮にしたの、お前らが勝手に組んだ罰ゲームの嘘告だったのにな。湖宮、めっちゃ必死になってんの。」

「え……?」

 うそ、こく……?

 恋愛に疎い私でも、今の言葉の意味はすぐに理解できた。

 嘘の告白……よく罰ゲームで使われる手だ。

「え? それマジ? うっわ、思ったよりも罰ゲームらしいじゃん。」

「ほんとそれ。つーかさ、今は返事引き延ばしてる状態なんだろ? もしあっちがオッケーしたらどうすんだよ。」