極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

 そう思って自分で自分の頬をつねってみるも、ただ痛みが残っただけ。

 夢から起きる気配なんて全くなくて、現実なんだと分からされた気になった。

「……本当、なんだ。」

 どうして阿辺君が私を好きになってくれたのかは、分からないけど。

 「好き」だと言われて嫌な気持ちになるはずなんてなくて、心拍数が上がっていくのが嫌でも分かった。

 まだ、付き合うという事を具体的には考えられない。

 人を好きになった事も、好かれた事もなかった。

 だから余計に、自分の気持ちをどうまとめればいいかが私には難しい。

 ……でもちゃんと、向き合わなきゃいけない。

 阿辺君は真剣に告白してくれたんだと思うから、私も真剣に考えなきゃ。

 正直今の状況をまだ飲み込めれていないけど、私は一人になった空間で決意を固めた。

 ――ある事件が数日後に起こる事なんて、知る由もなく。



 紗代ちゃんには阿辺君に言われた通り、何も言っていない。

 今回こそはバレたらダメなものだと私も分かっていたから、結果的には紗代ちゃんを騙してしまう事になってしまった。