極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

 何で紗代ちゃんに言ったらダメなの……?

 阿辺君のその言葉が妙に心に引っかかり、率直に尋ねる。

 そんな私の質問に阿辺君は頬を掻き、私から視線を逸らした。

「こういう事、あんまり他の奴には知られたくないから。絶対言うなよ。」

「分かった! 言わないよっ。」

 そういう事か……と、納得して一人心の中で頷く。

 確かにそうだよね。こういうデリケートな問題は、第三者には知られたくないものだからね。

 さっきまで疑問だった事がすっとなくなり、大きな声で返事をする。

 そうすると阿辺君はもう一度「さんきゅ。」と短く言い、踵を返した。

「……考えといて、返事。」

「うんっ……! すぐ答えられなくて、本当にごめんね。」

「別に気にすんな。」

 阿辺君はそう言ってくれ、騒がしい廊下へと戻っていった。

 彼の背中を見送り、人知れず大きな息を吐き出した私。

 そしてその瞬間、思わず声が出そうになった。

 ……まさか私なんかが告白、されるなんて。

 未だ信じられない。夢なら今すぐ目が覚めてほしい。