極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

 もちろん、嫌な気持ちはない。

 ただ……そう簡単に恋愛をしたくないって思ったんだ。

 一時な嬉しさだけで付き合うのは違う気がして、阿辺君に謝る。

 阿辺君には私よりもっと、お似合いな人がいるよ。

 だから私みたいな地味子より、そのお似合いな人と付き合ったほうが良いと思う。

 心の中でそう伝えて、教室へと戻る事を阿辺君に言おうとする。

 だけど……阿辺君はそんな私を止めた。

「湖宮は俺のこと、嫌いなのか?」

「……嫌いなわけじゃないよ。」

「だったら、もう少しだけ考えてくれないか。返事はまた今度でいいから。」

 縋るような声色が耳に届いて、さっきとは違った罪悪感が渦巻く。

 どうしてここまで阿辺君が言ってくれるのか、全く分からない……けど。

 ……ここまで言ってくれる阿辺君に、真剣に向き合わなきゃダメな気もした。

 私なんか、付き合っても良い事ないと思う。

「……それじゃあ、返事は保留でいいかな?」

「あぁ、さんきゅ。……そういや、金森にはこの事言うなよ。」

「え……どうして?」