「結衣~? な~に一人の世界に入ってるの~?」

「……はっ、ごめんね紗代ちゃんっ。今日も平和だなぁ、って思ってたらつい……。」

「結衣はほんと、そういうマイペースなところあるよね~。ま、可愛いからいいんだけど。」

「冗談はいいよ、紗代ちゃん。」

 紗代ちゃんに朝から気を遣わせちゃって、何だか申し訳ないな。

 というか私が可愛いなんて、天と地がひっくり返ったってありえない。

 紗代ちゃんのほうが私の何倍も可愛いんだから、自分のことを褒めてあげればいいのに……。

「あーもー! 結衣はどうしてそんなに鈍感なのっ!」

「は、はいっ?」

「ほら、そーゆーとこ! 結衣、あんたは可愛いの! そこんとこ自覚して!」

 えぇ、そう言われても……。

「私なんて、何の取り柄もないし地味だし面白味もないし……可愛いとは無縁だよ。」

 むしろ紗代ちゃんのほうが可愛いよ。カリスマ性もあるし美人さんだし、リーダーシップもあるし。

 今だって、私と一緒に居てくれる事が不思議で仕方ないくらいなのに。