極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

 ど、どうしよう……秦斗君が帰っちゃうっ……。

 まだ、何も言えてないのにっ……。

 紗代ちゃんたちから応援してもらったのに、背中押してもらったのに……っ。

 そんな焦りが襲ってきて、私はほとんど衝動的に名前を呼んでいた。

「か、秦斗君……!」

「ん? どうしたの……って、っ……。」

 衝動的に、秦斗君の制服の袖を掴む。

 引き止め、ちゃった……。

 もしかしたら秦斗君からしたら、迷惑になるかもしれない。

 嫌だって、思われるかもしれない。

 何か言わなきゃいけないのは、頭では理解しているのに。

「っ、う、うぅ……か、なとく……っ……」

 言葉よりも先に、涙が出てきてしまった。

 怖いんだ。告白するなんて、私にはハードルが高すぎたんだ。

 泣いちゃダメって思えば思うほど、涙はかさを増してとめどなく溢れてくる。

「……結衣さん、泣かないで。」

 そんな困った状態の私を、秦斗君は優しく引き寄せて包み込んだ。

 秦斗君の腕の中に、何も言えないまま閉じ込められる。