極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

 久しぶりに秦斗君と帰る事も相まってからなのか、脈拍がとても速くなるのが分かる。

 秦斗君に聞こえてしまいそうなくらい、ドキドキとうるさい。

 いつ、言い出せば……。

 私は道路の白線に視線を落としながら、ぼんやりそんな事を考える。

 だって、告白ってムードが大切だってどこかで見た。

 だけど今は、普通の日常の中。

 特別な事が起きているわけでもないし、雰囲気があるわけでもない。

 ……それに、やっぱり不安が拭えない。

 もし、断られてしまったら? この関係が崩れてしまったら?

 考えても仕方がない事なのに、ついそればかりが頭の中に残る。

 私に告白なんて……。

 そう、考え込んでしまいかけた時だった。

「結衣さん……っ!」

「え……――!?」

 目の前にいきなり、大きな音を立てながら猛スピードで横断した車が通りすぎる。

 横断歩道は、青だ。つまりあの車は、信号無視をした事になる。

 ……でも私は、言葉が出てこなかった。

 車に驚いたって事もある。もちろんその事についてはびっくりしたし、息ができなかった。