極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

「そうそうっ! 結衣ちゃんはめちゃくちゃどちゃくそ可愛いし、可愛いし可愛いから。全力応援してる。」

「捺ちゃんも……。」

 あぁ、やっぱり私は人に恵まれている。

 二人にわしゃわしゃと頭を撫でられ、やっと勇気が追い付いた。

 うん、大丈夫。

 そう思っておけば、本当に大丈夫な気がしたから。

「お、王子様のお迎えだね。」

「ふふふ~、頑張ってらっしゃい結衣ちゃんっ。」

 二人に耳打ちをされ、緊張がほとばしる。

 だけどいつも通りに、大丈夫と口の中で繰り返しながら振る舞った。

「結衣さん、それじゃあ帰ろうか。」

「うんっ。……智香ちゃん、捺ちゃんばいばいっ!」

 私は教室を出る前、勇気をくれた二人に手を振る。

 二人は私の行動に、どこか微笑ましいと言ったように優しい視線を送ってくれていた。

「――結衣、がんば。」

 ……紗代ちゃんも、だ。

 先生に運悪く雑用を押し付けられている最中の紗代ちゃんは。

 口パクで、そう言って背中をぐっと押してくれた。



 秦斗君と二人で、およそ二日ぶりに帰路につく。