それもそう。そう簡単に落ち着けば、困りはしないから。

「結衣、今日ずっと浮かない顔してんね~。氷堂と何かあったの?」

「えっ……分かる?」

「バレバレすぎ。結衣は隠し事できないタイプだから、仕方ないかもだけど。」

 教室でお昼ご飯を食べている最中、紗代ちゃんに図星を突かれる。

 やっぱり紗代ちゃんは鋭いなぁ……あはは。

 なんて思いつつも、私はパッと笑顔を作った。

「だ、だけど全然大丈夫だからっ。些細な事だから、ここまで考えなくてもいいかもだけどね……。」

 私の考えすぎ、な線もある。

 そもそも、秦斗君の意図が分からない私にとっては勘違いかもしれない。

 ……多分、その可能性のほうが大きいんだろうなぁ。私のことだから。

 でも逆にそれ以外に何の意味を持つのかが、私にはさっぱり読めない。

 だから頭を抱えてしまうんだ。

「結衣は考えすぎなんじゃないのー? いっつも思うけど、結衣みたいなタイプは抱え込みやすい性格らしいの。だからね、このあたしに相談してごらんっ?」