極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

 結衣さんが可愛いのは分かってる。

 そんなの、痛いくらい分かってるから。

「結衣さん、ちょっといいかな?」

「秦斗君っ……? わっ……!」

 俺は一言だけ呟き、強い力で結衣さんとその場を離れる。

 ……結衣さんの可愛さは、十分すぎるくらい身に沁みてるから。

 ――お願いだからそんな、眼鏡を外した状態で笑顔を見せないで。



 まだ人気が少ないであろうところまで移動してきて、ふぅ……と息を吐く。

 ここなら、とりあえずは大丈夫だろう。

 まさか、こんなところまで追ってくる人なんていないだろうしな……。

 そんな執念深すぎる人が居ないようにと思いながら、俺は結衣さんに謝罪の言葉を伝えた。

「結衣さんごめんね。ここまで連れてきちゃって。」

「謝らないでっ……! むしろ助かっちゃったよっ。実はちょっと、あの場に居るの怖かったんだ。」

 慌てた様子の結衣さんは笑顔でそう言って、その後に苦笑して眉の端を下げる。

 そういえば、結衣さんは人と関わる事が苦手だとも教えてくれた。