極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

 とっさに腕を引っ張られて、一気に結衣さんへと近付ける。

「……どういう風の吹き回し?」

「普通に酷いだろ、それ。……どういうもこういうも、さっさと湖宮のとこ行けば? 好きな女が下心ありの奴に囲まれてんの、嫌だろ。」

「それはそうだね。ありがとう。」

「そりゃどーも。」

 なんだか、阿辺君変わったな。

 俺はふと、そう抱いた。

 具体的にと問われれば困るけど、どこか棘が取れたような。

 ……だけどきっと、ライバルにはなるだろうな。

 あの目、結衣さんに惚れてる。間違ってはないはずだ。

 だから阿辺君は、俺の手助けをしてくれたのかな……なんて、ね。

「結衣さん。」

「っ、か、秦斗君っ……!」

 俺が名前を呼ぶと同時に、視界に結衣さんが入る。

 ……途端に俺は、遊園地の時の待ち合わせと同じように声が出なくなってしまった。

 あー……もう、やっぱり破壊力が凄いって……。

 結衣さんはいつもの、地味な感じではなかった。

 髪を整え、うっすらと紅潮している頬。

 だけどそこまでは、まだ大丈夫。