私、そろそろ考えるのをやめたほうがいいかもしれない。

 またもやよく分からない会話を交わしている智香ちゃんと捺ちゃんに、ただ苦笑いだけが零れる。

 でもそれを遮るように、紗代ちゃんが悲鳴にも似た声を響かせた。

「ヤバッ! そろそろマジで学校行かないと遅刻する!」

「わっ、本当だっ!」

 まだまだ時間はあると言えど、遅刻だけは避けたい。

 紗代ちゃんが言ってくれているように私も時計に目を走らせてから、みんなに声をかけた。

 感謝の気持ちが伝わるように、最大限の笑顔を引き出して。

「三人とも、本当にありがとうっ! みんなで学校、行こうっ?」