極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

「い、行く……ってどこにっ?」

 紗代ちゃんにぐいっと腕を引っ張られながら、私は首を傾げる。

 急いでいるように紗代ちゃんは、ニヤッと口角を上げた。

「それは……着いてからのお楽しみっ。」



「あいざっちゃん~、来たよ~!」

「わお、意外と早かったね。ま、どぞどぞ~。」

「お邪魔しま~す! ……結衣、はいこっち!」

 私は紗代ちゃんに促されるまま、ある部屋の一室に入る。

 ここは、まさかの愛澤さんのお家らしい。

 愛澤さんは一人暮らしでアパート住み……と、さっき口早に紗代ちゃんから教わった。

 でもどうして、私はここに連れてこられたんだろうか。

 沢海さんが居るのも、愛澤さんが居るのも、いまいち理解が追い付いていない。

 ……だけど私はその理解さえもできておらず、すぐには言葉が出てこなかった。

「あ、あの……どうして私は、ここに連れてこられたの……?」

 やっとの事で疑問を言った私は、ドレッサー前の椅子に座っていた。

 私の後ろには紗代ちゃんと愛澤さんが何やら難しい顔をして、考え込んでいる。