「だからな、嘘告して悪かったって言ってんだよ。それくらい分かれ。」

「……あ、謝らなくていいよ? 私、別に謝ってほしいわけじゃ――」

「あーもー……めんどいな!」

 !?

 いきなり大声を出した阿辺君に、肩を跳ねさせる。

 め、めんどい……?

 その言葉の意図が私にはわからなくて、またもやキョトン状態になってしまう。

 そうしていると今度は、私の指差してこう言い切った。

「湖宮があんまりにもお人好し過ぎるから、俺がやった事が馬鹿らしく思ったんだよ。湖宮みたいなお人好し馬鹿に、嘘告したのがどうかしてたって言ってんだよ。」

「お、お人好し馬鹿……。」

 馬鹿……じゃないと思いたいけど、阿辺君が言うならそうなのかな……。

 うぅ~……と小さく声を上げて、しゅんと項垂れる。

 でもその時に阿辺君が、何を思ったのかこんな話を切り出してきた。

「……なぁ、湖宮と氷堂って付き合ってないだろ。」

「はへっ!? ど、どうしてそう思って……?」

 突然の図星に、意図せず驚きを通り越したような声を上げてしまう。