そこまで思って、自分の変化に気付く。

 私……眼鏡外してても、大丈夫になってる……?

 これまでは眼鏡がなきゃ、人の顔を直視する事ができなかった。

 でも……大丈夫、平気だ……。

 もしかして、知らない内に耐性がついていた?

 そんな憶測が浮かんだけど、なんだか違うように感じる。

 うーんと、とりあえず考え込む。

 それでやっと、一つの可能性が浮かんできたんだ。

 ……遊園地では、ほとんど眼鏡がない状態だった。

 そのままの状態で秦斗君やキャストさん、愛澤さんや沢海さんと話をした。

 おかげでいつの間にか、ある程度大丈夫になっている……?

 そう思い始めたらそうだとしか思えなくなって、心にストンと落ちてくる。

 眼鏡は、外さなきゃって時々思っていた。

 いつまでも眼鏡に頼っていちゃ、ダメなんだって。

 ……だから、嬉しかった。

 自分でも自覚してない内に平気になっていたのは予想外だったけど、これはこれで良かった。

「……あっそ。湖宮、眼鏡はつけとけよ。」