「眼鏡外したらちょっとはマシになるんじゃねーの……っ、はっ……?」

 あ、阿辺君……?

 私の眼鏡を右手で持ち、どうしてか口をぽかんと開けている阿辺君が視界に入る。

 そしてその表情は……慌てているようにも、緊張しているようにも見えた。

 ……どこか、困っているようにも。

 と、とにかく聞いてみよう……大丈夫かな、阿辺君……。

「阿辺君、どうしたのっ? もしかして、私の顔に何かついてる……?」

 自分を指しながら、率直に尋ねてみる。

 阿辺君は私をじっと見ていたけど、私の言葉で我に返ったらしく一瞬だけ動きを止めてから。

「眼鏡、外さねーの……? 外してるほうが地味じゃねーし。つーか、めちゃくちゃ美少女だろ……。何で眼鏡してんの?」

「あ、え、えっと……そ、それは……」

「……氷堂は知ってんの? 眼鏡外した、今の湖宮を。」

「う、うんっ。って言っても、つい数日前の話だけどね。」

 秦斗君は信じられるから、眼鏡を外す事ができたんだ。

 だけど、今外されたら……って、あれっ?