怪訝な様子で私をじっと見つめてくる沢海さん。

 えっ、な、何でこんな見られてるの……!

 だけど、私はすぐはっとした。

 そっか、今って眼鏡かけてないから……。

 秦斗君は何て言えばいいのかが分からないらしく、少し焦ったように口ごもっている。

 もしかして、私のことをどう説明すればいいのか分からないのかな……?

 直感的にそう思った私は、沢海さんと愛澤さんに向けて軽い会釈をした。

「わ、私湖宮です! 湖宮結衣です……!」

「……うぇぇっ!? 湖宮さんっ……!?」

「はいっ! この通りです!」

 バッグの中から眼鏡を取り出し、かけてみせる。

 すると二人とも分かったらしく、さらに驚いた様子を見せた。

「ま、マジで湖宮さんじゃん……。え、ヤバ可愛いんだけど……」

「それな! というか湖宮さんと氷堂が付き合ってるのってほんとだったんだ……! なんか感激~。」

 さっきよりも注目され、若干いたたまれない気持ちになる。

 お、お二人とも何を言って……。

 愛澤さんは「可愛い」という不思議な単語を出したし、沢海さんに至っては最後の言葉の意味が私にはピンとこない。