極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

「秦斗君は私を楽しませてくれてるんだから……だから、秦斗君には笑っててほしいっ。」

 正直な気持ちを、そう口に出す。

 すると秦斗君は一瞬瞳を揺らしてから、おもむろに手をこっちに伸ばしてきた。

 ……その時。

「あれっ、氷堂じゃん!」

「え、マジだ! おーい、氷堂ー!」

 遠くから、秦斗君を呼ぶ声が飛んできた。

 秦斗君も気付いたようで、はっとしたように振り返った。

 私も視線を上げて、どんな状況かを確認する。

 その瞬間私の視界には、同じ学校で有名な女子二人が居た。

 二人は、綺麗系と可愛い系が合わさったような美少女。

 ……確か、愛澤(あいざわ)さんと沢海(そうみ)さん。

 二人はこっちに駆け寄ってきたけど……どうしてか急に、驚いたように目を見開いた。

 その視線の先は……私。

 愛澤さんに至っては開いた口が塞がらない、と言った様子。

 私が不思議に思って首を傾げると、その時に沢海さんが静かに口を開いた。

「……氷堂さ、この女の子……誰?」