極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

 ……まぁ、これくらいなら。

 「大丈夫。」って、そう言おうとした瞬間。

「グワァァァ!!!」

「きゃぁぁっ……!」

「お前を……呪ってやるぅぅぅ!!!」

「ひゃうっ……ぅ、っ……。」

 やっぱり、無理だよ……っ。こわ、すぎる……っ。

「もしかして結衣さん、お化け屋敷ダメ……だった?」

「う……も、怖いっ……。かなと、くんっ……。」

「……ごめんね。」

 大丈夫とか、平気とか、言える状態じゃない。

 だからもう正直に伝えると、秦斗君は一言謝ってから。

「少しだけ、我慢してて。」

「っ……。」

 ふわり、と私を抱き上げた。

 これ……お姫様、抱っこ……?

 恐怖の中でもぼんやり、そう考えられる。

 だけど私の中には恐怖のほうが強くあって、無我夢中で秦斗君にしがみついた。

「うらめしやぁぁぁ……!!!」

「きゃっ……! や、もうやめてっ……!」

 近くから聞こえてくる恐ろしい声に、震えながら目を懸命に瞑る。

 それでも完全に怖さを遮断できるわけじゃなくて、秦斗君の服を強く握りしめた。