極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

 この指輪……すっごく可愛い……。

 私はあるアトラクションに並びながら、ずっとその事を考えていた。

 さっき秦斗君からもらった、ここの遊園地のキャラ……にゃん吉を表したような指輪を見つめる。

 そういえば秦斗君もこの指輪、つけてるんだよね……。

 私の隣で並んでいる秦斗君に、ちらっと視線を向ける。

 秦斗君の左手の薬指には、この指輪の色違いがはまっている。

 私も秦斗君に倣って薬指にはめちゃったけど……今思えばこれ、婚約指輪みたいだよね?

 妄想がひどいのは分かっているけど、そう考えてしまったら止まらなくなって。

 ……秦斗君にとって私はただの友達なはずなのに、どうしてここまでしてくれるんだろう。

 そんな疑問が浮かんだ。

 だってただの友達なら、こんなに可愛い指輪をくれる……?

 それとも、秦斗君がサービス精神旺盛なだけ?

 秦斗君は「記念」と言って渡してくれたけど、どうにも腑に落ちないでいる。

 その時、近くからこんなアナウンスが聞こえてきた。

《飛ばされてはいけませんので、眼鏡やネックレスなどの小物は取り外してくださるようお願いします。繰り返します……》