極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

「結衣さん、ちょっとだけ着いてきて。」

「う、うんっ……。」

 結衣さんの手を取り、少しだけ速足で移動する。

 もう本当、こういう心臓に悪い事はやめてほしい。

 結衣さんは俺を、どれだけ惚れさせれば気が済むんだろう。

 今は結衣さんの顔を見ていない。普通愛おしさは、顔を見た時に溢れるもののはず。

 けど……俺の場合は、何をしていても結衣さんへの愛おしさは溢れるらしい。

 華奢な結衣さんの手を握っている今の状況だけで、鼓動がうるさく高鳴っているんだから。

 あーもう、心臓うるさい……。

 内心自分自身に文句を言いながら、俺はある場所へと向かった。



「結衣さん、これ貰って。」

「えっ……そんなの悪いよっ……! これ、とっても可愛いけどっ……!」

 俺は頭を冷やす為、結衣さんへの気持ちを一旦抑える為、そして……周りの奴に牽制をする為結衣さんにあるものを渡した。

 その手の中には、一つの指輪が。

 指輪と言ってもそこまで豪勢なものじゃなく、この遊園地のキャラクターを模したもの。