極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

 ……とりあえず、熱を何とかしないと。

「うん、大丈夫だよ。」

「そう……? 体調悪くなったら教えてね?」

「ふふ、ありがとう結衣さん。」

 一瞬だけ片手で顔を覆い、直後にいつもの俺に戻す。

 けど内心では、熱は全く収まっていない。

 せめて表に出さないようにと、なんとか頑張っている状態だ。

 俺の言葉にまだ心配そうにしているも、安堵したような表情を浮かべる結衣さん。

 その言動にまたドキッとさせられて、バレないように深呼吸した。

 はぁ……冷静に、落ち着け、俺。

 こんなところで取り乱すわけにはいかないだろう? 我慢しろ、自制を利かせるんだ。

 心の中で何回も自分に言い聞かせ、俺は誤魔化すように笑顔を貼り付けた。

「それじゃあ早速行こうか。」

 そう言いながら、結衣さんに手を差し出す。

 結衣さんは俺のその行動に一瞬戸惑った様子を見せたけど、恐る恐る手を重ねてくれる。

 ……やっぱり、結衣さんって何しても可愛いな。

 こうやって俺の期待に応えてくれるところも、さっきみたいに優しく気遣ってくれるところも。