極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

 いちいち気にしていたら、精神が持たない。

 良い視線でも悪い視線でも、気にするだけ無駄。

 話しかけさえされなければ、良いんだから。

「秦斗君、お待たせっ……!」

 そろそろ時間になるかな……と考えてスマホをしまう。

 と同時に、前方から急いでいるような声色が飛んできた。

 あ……結衣さん、来たかな。

 なんて思いつつ、視線を上げる。

「ううん、全然待ってな……――っ。」

 待ってないよ、と言おうとしたけどできなかった。

 言葉が詰まって、息が詰まって、何も言えなくなる。

 だって……結衣さんがめちゃくちゃなほど、可愛かったんだから。

 全体的にふんわりしたコーデに身を包み、普段はストレートの髪を巻いている。

 いつもよりも大人っぽさが増している結衣さんに、思わず目を逸らしてしまった。

 こんなの、反則……っ。

「か、秦斗君? 大丈夫……? 顔、真っ赤だよ……?」

 一方結衣さんは俺の気持ちに気付くはずもなく、心配そうに眉の端を下げている。

 それすらも可愛い……と思い出しているんだから、俺はもう末期だ。