だけど怒ってくれた紗代ちゃんにそうは言えず、代わりにお礼を口にした。

「あ、ありがとうっ。怒ってくれて……。」

「あったりまえでしょ! 結衣を守るのはあたしの役目なんだから、ずっと守ってあげる! あたしが結衣のナイトだー!」

 ぐっと拳を作って満面の笑みを浮かべる紗代ちゃんに、自然と私も笑顔になる。

 やっぱり紗代ちゃんが居てくれて、良かった……。

 もし紗代ちゃんが居なかったら、きっと私は一人ぼっちだった。

 だから、感謝してもしきれない。

 私はもう一度「ありがとう!」と紗代ちゃんに伝える。

 そして直後に聞こえた先生の声で、私たちは体育に臨んだ。



 うー、疲れたぁ……。

 授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響く前に、体育だけは早めに終わる。

 多分理由は、着替えの時間も必要だし、体育館から教室までの距離も長いからだと思う。

「今日めっちゃハードだったよね。絶対次の授業寝るって……。」

「寝ちゃダメだと思うけど……確かに、いつもより疲れたよね。」