極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

 今の時間帯はまだ開店していないらしく、お客さんが一人もいない。

 多分、紗代ちゃんが人のいない時間帯に紗千さんにお願いしてくれたんだろう。

 それにここまで手をかけてもらっているから、それなりの代金は払いたい。

 ……だけど、私の言葉に紗千さんは急いで手を振った。

「お金なんていいよっ。結衣ちゃんは紗代と仲良くしてくれてるみたいだし、お金は要らない。そのお金は、今日のデートの為に取っておいて。」

「で、でも……それは申し訳ないです……。」

 それは図々しいんじゃないかな……? そんな、贔屓みたいな……。

 けど紗代ちゃんが私を後ろから抱きしめて、はっきりとこう言ってくれた。

「結衣はそんな事思わなくていいの! これはあたしがしてあげたかった事だし、姉さんもノリノリだったし。結衣の為に何かできたんだって思いたくて、あたしが勝手にしたんだから!」

「紗代ちゃん……ありがとうっ。」

「うんうん、結衣ちゃんが思い詰める事じゃないよ。うち的にはこれからも紗代と仲良くしてくれるだけで、これ以上ないお代になってるからさ。」