極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

「あっ! 結衣おはよー! ここ分かった?」

「紗代ちゃんおはようっ。うん、すぐに分かったよ!」

 その美容室から出てきた紗代ちゃんは、いつもとは違い髪を後ろで一つにまとめて束ねている。

 いつもよりもお姉さん感が増している紗代ちゃんに、私は少し見惚れていた。

「結衣何あたしのことじっと見てんの~? もしかして、惚れた?」

「うん……。紗代ちゃん大人っぽくて……。」

「マジ? やー、嬉しいなぁ。」

 おぼろげだったけどそう答えると、「ふふ……。」と嬉しそうに微笑む紗代ちゃん。

 でも紗代ちゃんはすぐにキリッとした表情へと変わって、私の腕を掴んだ。

 そのまま半ば強引に、その美容室へと連行される。

 カラン……と鈴の音が鳴り、恐る恐る中に入る。

 途端、私は目を見開かせる事になった。

 わっ……すっごくおしゃれだ……。

 清潔感のある内装に、少し大人びた小物。

 薄い色で統一されているからか清涼感もあって、居るだけで爽やかになりそうな空間だった。

「紗代、その子が今日のお客さん?」