『いやいや、あんなうるさい女たちと一緒にしてもらっちゃ困るんだけど。あたしは落ち着く雰囲気のほうが好きだし、いちいち騒ぐ女と同類だとも思いたくないから。』

　あの時はびっくりしたなぁ……いつも優しい紗代ちゃんが、あんなにボロボロに言ってたんだもん。

　思わず頷いてしまったけど、内心は驚いていた。

　けど今ではそれが紗代ちゃんらしいな、と私は思う。

　今だって、私の為に紗代ちゃんは怒ってくれてる。

「あんたら後で覚えときなさい！　結衣のこと馬鹿にしたツケは後できっちり取るから！　そうなりたくなければ今すぐ目の前から消えてくれない？」

「……っ、行こうぜ。」

「お、おぉ……。」

「金森さんこえぇ……。」

　でも流石に、そんなに怒ってくれなくていいんだけど……。

「さ、紗代ちゃん……！」

「ん？　あいつらはこれで二度と結衣を馬鹿にできなくなったから、安心していいよ。」

　……紗代ちゃん、目が笑ってないよ。

　かろうじて口角は上がってるけど、目が笑ってないせいで怖いよ紗代ちゃん。