私を包む,不器用で甘い溺愛。


「怪物のようって……! 来栖さんこそ何を言うんだ,君は何にも分かってない! あいつは,自分の価値を分かってる! 分かっててあんな態度で過ごしてるんだ,どうして分かってくれない!? 今一番危ないのは君なんだよ,来栖さん」



あんまりだわ。

どうして私達に,理解できないと思う以上の事が言えるだろう。

榛名くんはそんな人じゃない。



「私,自分の身は自分で守れます」



凛として発すると,目の前の甚平くんは絶句したようだった。

分かってる,心配してくれているのは。

だけど彼は,話を聞く限り榛名くんの事なんて少しも知らないんだわ。

きっと,一言話したことすらないのよ。

数秒後に言葉を取り戻した甚平くんが,頭をぶんぶんと振る。



「もしもの時に,そんな事出来るわけがない。つくりが違うんだ,当たり前だろ。拒否することすら出来ない」

「でも榛名くんだっておかしな事を起こして退学にはなりたくないはずよ。今までの子皆訴えなかったのかもしれないけど,私にはその選択肢がある」

ーそれに,そもそも榛名くんは私にそんなことしないわ。優しさも,優しくすると言うことも,彼はちゃんと知っています



私はちゃんと,お友達として,先輩後輩として。

榛名くんに大事にされてきた。

怖いくらい,優しくして,笑ってくれた。