私を包む,不器用で甘い溺愛。

一口が小さくすむような簡単な料理をして,2人。

私の家よりも大きなテレビを点けて,DVDを入れた。

切なくなる物語だと最初から分かって選んだのに,しっかり号泣してしまって。

榛名くんはそんな私を笑うと,目蓋にキスをして。

映画が終わる頃に,唇にもキスをした。

ついさっき初めてのキスを交わしたばかりなのに,私はもう当たり前のように受け入れ始めてると気づく。

おかしさに,愛しさに。

映画の感情移入もあって,また1つ涙が溢れた。



『ありす,結婚しよう』



映画に感化されたのか,はたまた関係のないところでそう思ったのか。

榛名くんは泣き顔の私にそんなことを言った。

驚いた私に榛名くんはティッシュを渡して,受け取った私は涙を染み込ませながら笑う。

ほんの数時間前は,行為がどうのと悩んでいたのに



「それはちょっと……気が早いんじゃないかしら」

「こんなプロポーズはいや? ありす」

「ふふ,そんなわけないじゃない。恋人ってそもそも,そういうものでしょう?」



それにいざとなったら,もう一度同じ言葉を聞ける気がするの。



「じゃあもう,不安になることなんて何もないね。これから先の未来を,全部ありすにあげるから。ゆっくり全部経験して,俺と笑ってよ,ありす」



完璧なのにどこか繊細で。

そんな榛名くんは,どこまでも私を特別にしてくれる。

この温もりを手離すなんて,もう頼まれたって無理なんだもの。

何を言ったって,きっと受け入れてくれるから。

不安も愛も全部伝えたい。

クリスマスもお正月も,一緒に過ごしたい。

誰より先に,ハグとキスを交わしたい。

そんな関係に,なれるかな。

ずっとずっと,榛名くんといられるなら。

榛名くんが,離さないでいてくれるなら。

きっと,なれるわよね────


                   Fin