とんっと,さっきよりもソフトなキス。
それでも足りなくて,私は
「もう一回」
と口にする。
これで最後だからと見上げたら,余計にため息をつかれた。
そうしながらも,少し怒ったような乱暴なキスをくれる榛名くん。
やさしい……
それが怒りでなく照れであることは,最後の啄まれるような感覚で分かった。
幸せすぎて,何度も笑みが溢れる。
「映画,見におりましょうか。せっかく用意して貰ったんだもの。それにもう興味を引かれてしまったの」
「お昼はどうする?」
「じゃあ,作って,食べながらっていうのは……?」
行儀悪い?
元々お昼は持ってこなくていいっていうお話だったから,キッチンを使う許可は頂いているはず。
見上げると,榛名くんは
「いい案だね」
と楽しそうに笑ってくれた。
良かったと,私も同じ顔をする。



