私を包む,不器用で甘い溺愛。

「聞こえる?」



何が聞こえるというの?

この静かな部屋の中で……



「俺の,心臓の音。ありすよりは遅いけど,君に触れる度,どくどくと血が流れていく。ありすが俺を生かすみたいに。例えそれが逆に寿命を縮める事であっても,俺は今こんなにも幸せ。ただ,抱き締めているだけだよ」



私は初めて,ほっとした。

榛名くんは恐れる私をいいと言って,おかしくないと言って……自分も何か我慢するようなことはないって,示してくれた。

私,いいのね,このままでも……

それでも好きだって,こんなにも想ってくれる。

私からも,榛名くんをぎゅっと抱き締めた。

何故かびくりと身体を震わせた彼は,そのまま硬直してしまう。

代わりに私が,榛名くんの分まで力を込める。

私の気持ちも,流れてしまえばいいのに。

好きよ,好き……

誰よりも,榛名くんを大事にしたい。

思うだけじゃなくて,こうして行動に,言葉にしたい。

榛名くんが,いつもそうしてくれるように……



「榛名くん,私……榛名くんが」



本当に,不安になるくらい好きなの。

その言葉は,榛名くんの手のひらに食べられてしまった。

ふにゅりと榛名くんの肌が触れて,また1人顔を染める私。