「榛名くんて,テスト……どうなの?」
「ん? なんと生まれてこの方,不動の1位」
イエイ,と,榛名くんは私にピースを向ける。
今……生まれてこの方って,言ったの……?
今年でもなく,高校に上がってからでもなく……?
「俺以外誰も知らない事なんだけど,記憶力がいいんだよ,ありす。それもただ良いって言うんじゃなくて,忘れないんだ」
「……忘れない?」
「カメラアイ,聞いたことない? 俺,それで」
聞いたことも,知っていることもない。
でも……カメラ,忘れない……
今この瞬間も,彼の中に切り取られ,残っていると言うこと……?
自分以外誰も知らない,それってきっと,意図的に隠してると言うこと。
そんなに凄い能力を持ちながら隠し通すのは,簡単なことではないわ。
どうして隠すほど重要なことを,私に話すの?
どうして榛名くんは,それを周りに隠した……
あ……
「忘れないって……忘れられないってこと,なの? 何も幸せなことじゃ,ない?」



