私を包む,不器用で甘い溺愛。

「トランプ……する?」



折角持ってきて貰ったんだし……



「いいけど,俺,強いよ? ありす」

「私だって,家族じゃ負け無しだもの……!」



ニッと器用に片方の口角を上げて,片目を細めた榛名くん。

つい負けん気が現れて,すっとトランプを出した。

じじぬきに,真剣衰弱,ぶたの尻尾に,7並べ。

51に大富豪,挙げ句にポーカーまで1時間みっちり遊んだのだけど……

結果は─惨敗─



「どうして1つも勝てないの?! 榛名くんはずるの1つもしてないのに……!」

「ね? だから言ったでしょ,ありす。俺,ゲームで負けることって殆んど無いよ」

「少しくらい手加減してくれたっていいじゃない……」

「あはは。悔しがるありすが可愛くって」



ごめんねと笑う,榛名くんの方が絶対に可愛いに決まってるのに。

なんて,今は絶対言わないけれど。



「私,真剣衰弱だけは負けないと思ってたわ。だから2回もお願いしたのに……」



短期記憶には,かなり自信があったのに……

榛名くんて実はとても頭がいいのかしら。

1度も間違えを引かなかったし,ペアが見つかれば1度に全てとってしまった。