甘くて優しい青春恋物語 ~恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重~

 だけど……私は毎回、微妙な顔をしてしまう。

 今日も、それは例外ではなかった。

「……風真君、やっぱりこの部活危機が……」

「うん、分かってるから言わないで空音。」

 えぇ……私、ただ本当の事言っただけなのに……。

 最後まで言わせてもらえず、大人しく口を噤む。

 そして他の三年や二年も入ってきて、部活が始まった。

 ……けど、やっぱり寂しいな。

 会員、驚異の八人。

 こんな人数で、どう部活として認めてもらえるかが最近危機になりつつある。

 苦い顔をして、風真君のほうを見る。

 それと同時のタイミングで、ガラッと部室の扉が開いた。

「悪い、遅れた!」

「はぁ……兄さん、もっと早く来てくれなきゃ困るんだけど。」

「ごめんって風真。」

 間髪入れすに風真君と、もう恒例になりつつある口喧嘩をする。

 そう、顧問の先生は風真君のお兄さん。

 ……そして私の、担任の先生だ。

 苗字が一緒だし、そっくりなところもあるからもしや……とは思っていたけど、本当に兄弟だったとは。