甘くて優しい青春恋物語 ~恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重~

 でも風真君はどうしてか、私に君付けを強制させた。

 本当は、呼び捨てが良いらしいけど……流石にそんな不敬、できないよね。

 だから君付けに収まっている。

 だけどどうして、私だけに何だろう?

 他の部員は先輩やさん付けしているのに、どうして私だけ良いんだろう。

 それがずっと、入学した時からもやもやだった。

 ……そういえば、私をオカルト同好会に勧誘したのも風真君だったっけ。

 私はオカルト好き両親によって、幼い頃から霊感が欲しかった。

 霊が視えるようになったら、この世の中はもっと面白いかもって思ったから。

 そんな時出会ったのが、風真君だったんだ。

 風真君は生まれつき霊感があったらしく、私にとって憧れの存在だった。

 だから風真君にオカルト同好会に誘われた時、すぐに入部を決めた。

 その時から、風真君は私に君付けを強制してきたと思うけど……。

「失礼しまーすっ。」

「会長と咲来先輩、相変わらず早いですね。」

 悶々と風真君との出会いを思い出していると、続々と会員が入ってきた。