甘くて優しい青春恋物語 ~恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重~

「俺たち、恋人同士になったよね?」

「う、うんっ……。」

「それなら……もう我慢しなくても良いんだよね。」

「ふぇっ? ……ん……っ。」

 三度目のキスが、私に降り注ぐ。

 けど一度目や二度目のキスとは、全く違うもので。

 一回だけじゃなくて、二回三回と繰り返される。

 その度に深くなっていって、次第に力が抜けていく。

 ベンチに座っているから良いけど、完全に立てなくなっているだろう。

「ふ、ま……くんっ……」

「これで最後だから。」

 最後に触れるだけのキスを落とされて、唇が離れていく。

 ……頭がもわもわする。

 だけど風真君は余裕そうで、私を優しく抱きしめてくれた。

「……ごめん、やりすぎたね。空音大丈夫?」

「だ、だいじょ、ぶっ……!」

「……ほんとごめん。」

 大丈夫って言ったのに、風真君は謝ってくる。

 こういうところ、やっぱり真面目だなぁ……なんて。

「俺、これからもっと空音に好きになってもらえるように頑張るから。」

「わ、私も頑張るねっ!」