甘くて優しい青春恋物語 ~恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重~

「そ、それって……」

「空音、俺と付き合ってください。」

「!?」

 今度こそ、声が出なくなる。

 風真君が私を好いてくれているという嬉しさと、まさか私を好いてくれていたのかという驚き。

 まだ自分の気持ちがはっきりしないのも相まって、私の気持ちは複雑になっていく。

 ……でも私は、風真君を一番信頼している。

 好きかどうかは分からなくても、風真君とはずっと一緒に居たいって思うもん。

「……うん、分かった。付き合って、みる。」

「ありがとう、空音。」

 私がそう答えると、風真君はふわっと微笑んだ。

 元々風真君は貴族みたいな雰囲気だから、微笑まれると王子様と見間違うだろう。

 ……ドキドキが、収まらない。

 どうしてかは分からないけど、私の心臓はうるさく高鳴っていた。

「で、でも私なんかで良いのっ? 風真君かっこいいから、もっとお似合いな人いるはずなのに……。」

 だけどそれが私にとって、心配な事だった。

 風真君は芸能人に居てもおかしくないくらいのイケメンさんで、密かにモテているという噂もある。