甘くて優しい青春恋物語 ~恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重~

 杏ちゃんが幸せそうなら、私は良いから。

 ちょっと寂しいけど……あはは。

「はぁ……ごめんね空音。やっぱあいつ嫌いだわ。」

「そんな事言って本当は杏ちゃんも乾君のこと好きなんでしょ~?」

「そ、そんなわけないっ!」

 ムキになっちゃって……やっぱり、杏ちゃん可愛いっ。

 こんなに可愛い杏ちゃんをものにした乾君、私も嫉妬の対象になりそう。

 この様子じゃ、正式に付き合うのも時間の問題かな。

 本当は一か月で落とせれたら、って言ってるらしいけど……杏ちゃんはその条件を、もう少し延ばしたらしい。

 だからきっと、後数カ月で付き合うだろうな……なんて。

 その時は全力で祝福するし、杏ちゃんの友達として最前線で応援する。

「早く付き合えばいいのに。」

「……無理。」

「嫌って言わない辺り、怪しいなぁ~。」

「空音もそっち側の人間なの!?」

「あははっ、思った事を言っただけだよ~。」

 頬をむーっと膨らませている杏ちゃんを見ながら、私はふふっと笑っていた。

 杏ちゃんならきっと、乾君とでも大丈夫だよ。