甘くて優しい青春恋物語 ~恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重~

 だからこそ、今回は二人で行動できた。

 ……そういえば、この前入ってきた一年でさえ俺の気持ちを知ってるのは不思議だけど。

『告白、頑張ってしちゃってくださいね会長。』

 グループ探索開始直後に言われた、一年の含みのある言葉。

 俺はきっと、隠し事をするのには向いてないんだろう。

 そう思ったのは、火を見るよりも明らかだった。

「空音はね、俺に希望をくれたんだ。」

「き、ぼう……?」

「うん。空音が居てくれるからこその、希望がね。」

 覚束ない言葉で返答してくれる空音は、未だ何も分かっていないらしい。

 不思議そうな表情を浮かべて、俺の言葉をじっと聞いている。

 ……空音ったら、こんなに鈍感だとは思ってなかった。

 さっきまでは怯えてたのに、今はもうすっかり抜けているだろうね。

 さっきは俺もびっくりした。本当に霊が居るとは思ってなかったから。

 空音は霊を引き寄せやすい体質なのかは分からないけど、トンネルに入ってから霊が異様に俺たちの周りを取り囲んでいた。

 結果、空音に怖い思いをさせてしまう事になったけど。