甘くて優しい青春恋物語 ～恐怖のドキドキと恋のドキドキは紙一重～

　でも結果的に、俺のエゴで空音を怖がらせてしまった。

　なんて事をしてしまったんだろうと、後悔の念に苛まれる。

　空音は言ってくれたじゃないか。その場に行くのはダメだって。

　……それでも押し切ったのは、俺だ。

　申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、ぎゅっと空音を抱きしめる。

　本当はそれだけで、我慢しようと思ったのに。

「怖かったのは怖かった、けど……私も、楽しかったもん！　風真君が企画してくれたものだったし、風真君が守ってくれたから大丈夫だった！　だから謝らないで……――っ！」

「……空音は何で、そんな可愛い事ばっか言うの？」

　……何でかなぁ、俺の理性を簡単に壊してくるのは。

「ふうま、くん……？」

「何？」

「私……可愛くなんか、ないよ……？」

「……何言ってるの。空音はこの世で一番可愛いんだから。」

　驚きすぎて固まっている空音に、俺は我慢するという事もせずに言う。

　ダメじゃん、空音。そう簡単に、可愛い事言ったら。

「はへっ……？」

　空音の様子から、空音はきっと何も分かっていない。